新時代の医療をともにデザインする

Primaria ONLINE

4月号
2024
April
責任編集
福原 俊一

学びは、医療者の仕事の中核です
学び続けたい全ての医療者の皆様へ
見て、聴いて、触って、感じて、体験して・・・
さあ、始めよう

ログイン ログイン済み
Primaria ONLINEの閲覧はこちらから
▶ パスワードを忘れた方
はじめての方
会員登録(無料)

Primaria ONLINEは、会員(無料)のご登録でご覧いただけます。医療に関わる公的資格を有する方およびそれを目指す方であれば、どなたでもご登録いただけます。

01 Visionary People新たな価値をつくり出す人々

音声コンテンツをお楽しみください

医療と医学の世界で新しい価値を作りだしている医療者を、有名無名問わずハイライト。
今回は、地域医療を支え、高知大学医学部で臨床研究・教育にも精力的に取り組む佐田憲映氏です。

インタビュアー:福原俊一
京都大学 特任教授
Johns Hopkins大学 客員教授
福島県立医科大学 副学長
高知大学 医学部 特任教授
佐田 憲映

臨床研究は一人じゃなくみんなで取り組むもの

出身大学である岡山大学に長年勤務し、腎臓内科・血管炎の疾患の専門医として、また助教授として大学院生を指導し、多くの若手研究者を育成した。2020年からは地元・高知に戻り、高知県、高知医療再生機構、高知大学、地元の病院などの協力を得て、寄附講座で臨床研究教育に力を入れている。2004年、第4回臨床研究デザイン塾に参加した際、福原俊一先生が作ってこられた臨床研究教育のフレームワークを体験。ものすごく感動して、楽しくて、これをいろんな人に伝えたいと思った。現在は30代、60代の臨床研究への高い志をもつフェローを指導している。「臨床研究は一人でやるものじゃない、みんなでやるもの。Face to Faceが重要」と佐田氏。ディスカッションやメンタリングのほか、月に一度はいっしょに食事するなど、仲良く、意欲的に取り組んでいる。……

インタビュアー:福原俊一
京都大学 特任教授
Johns Hopkins大学 客員教授
福島県立医科大学 副学長

02 アカデミックジェネラリスト

今回は、福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンターに着任して1年働いた山本さんに執筆いただきました。

エビデンスユーザーからエビデンスメーカーへ

もともと、学部生の頃からEvidence Based Medicine(EBM)の勉強会であるpES clubという会に参加していました。そこで、エビデンスのcritical appraisalを学んだのが、この道に進む始まりでした。集中治療を専門にしたのも、多くのRandomized Controlled Trial(RCT)のエビデンスをもとに臨床を構築しており、分野として比較的新しいためか、……

03 近未来の医療と介護

医療政策を立案し実行する側にいた専門家に、日本の現状や展望をどうとらえているのかを語っていただきます。

消費税も含めた医療費財源の確保が必要

初再診料は引き上げられるが、特定疾患療養管理料は対象の削減でマイナスに

令和(R)6年度の診療報酬改定率は+0.88%、薬価等は▲0.99%、トータル▲0.11%で決着した。R6年度にベア+2.5%、R7年度にベア+2.0%を実施するための特例的な対応+0.61%が盛り込まれ、一応、医療関係者の面目を保ったが、かなり苦しい改定だ。……


元・内閣官房
社会保障改革担当室長
宮島 俊彦

04 働きながら「研究」を学ぶ

研究者としてのキャリアを志す、あなたに最適な学び方を見つけよう。

独立した研究者になるための6つの要件 (1.系統的な学習 2.実践的演習 3.データ 4.メンター 5.プロテクテッドタイム 6.仲間)、その一つ一つを先輩たちがどうやって乗り越えて学んでいるのか、具体的な事例を聞いてみましょう。

「CLiP Extension」「多職種のための臨床研究てらこ屋」についてご紹介します。

京都大学医学部附属病院が提供する臨床研究のオンライン学習プログラム「CLiP Extension」。2024年度の受講生募集に関する情報をお届けします。また、医療の専門家が職種の垣根を超えて臨床研究という共通言語で取り組むユニークなワークショップ「多職種のための臨床研究てらこ屋」について、2024年9月7日(日)の開催情報をご紹介します。

05 日本臨床疫学会からのお知らせ

第7回 年次学術大会 11/2(土)・3(日)開催!

医療者を中心に約1000名の会員数を誇る日本臨床疫学会の第7回年次学術大会について、11/2(土)・3(日)の開催概要をお伝えします。


06 京都大学ジャーナルクラブ

京都大学医療疫学教室では、編集長が教授であった時代から、毎月全員でジャーナルクラブを開催してきました。
世界の4大誌の最新号を担当者が要約し、担当者が特に注目した論文にたいして、参加者全員で批判的に議論します。
このコーナーではその一端をお見せしたいと思います。

今号の論文
Okubo M, Komukai S, Andersen LW, Berg RA, Kurz MC, Morrison LJ, Callaway CW; American Heart Association’s Get With The Guidelines—Resuscitation Investigators. Duration of cardiopulmonary resuscitation and outcomes for adults with in-hospital cardiac arrest: retrospective cohort study. BMJ. 2024 Feb 7;384:e076019. doi: 10.1136/bmj-2023-076019. PMID: 38325874; PMCID: PMC10847985.

2000年から2021年にかけて心肺蘇生(CPR)を受けた米国の18歳以上の成人院内心停止患者348,996人の多施設前向きレジストリを用いたコホート研究。CPRの持続時間(胸骨圧迫開始から最初の自己心拍再開[ROSC]または蘇生終了までの時間)と院内心停止後の転帰確率を時間依存関数として定量化することを目的とした。主要評価項目は退院までの生存、および退院時の神経学的機能良好(大脳機能カテゴリースコア[CPC]が1[大脳機能良好]または2[中等度の大脳障害])とした。蘇生終了の判断がすべて正確であった……

「京都大学ジャーナルクラブ」は、本号をもちまして休載とさせていただきます。これまでご愛読いただきまして、ありがとうございました。

07 臨床研究の道標

第一線の医療者が、臨床研究に取り組み、悩み、紆余曲折を経て、世界に発信した「臨床研究の旅の物語」を読んでみましょう。
あなたが今抱えている、もしくはこれから向き合うことになるかもしれない悩みをうまく乗り越えるためのヒントがそこにあるかもしれません。

研究タイトル
救急外来到着時shock index正常の外傷患者における、病院前shock indexに基づく24時間死亡の予測

リサーチ・クエスチョン(RQ)との出会い・着想の瞬間

この研究のRQが浮かんだのは、救急外来で一見、重症感のない外傷患者さんが診察されているのを見かけたときでした。患者さんは意識清明でバイタルサインも良く、医療スタッフも当然、軽症者として診療を行っていました。しかし、「一見、軽症そうな患者こそ慎重に診療せよ」と救急の師匠に口を酸っぱくして教えられていた私は、……

山田 淑恵 Profile
京都大学大学院 医学研究科
社会健康医学系専攻 医療疫学分野 助教
  • Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health
  • gMAP eMAP
  • 高知県 臨床研究フェローシップ
  • 橋本市民病院
  • 白河総合診療アカデミー