Primaria ONLINE 2022年02月号
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I   (  (clinical relevance)SARS-CoV-2感染に対するワクチンの有効性が時間経過とともに低下するのは、デルタ株に対して効果が低いというよりも、むしろ時間経過とともに予防効果が低下することが主な原因であると考えられる」と結論づけています。提示された結果から導かれる結論としては適切と考えて良さそうです。ただし、先述した未測定の交絡の影響には注意が必要です。 時間経過とともに、ワクチンの効果が低下する可能性が示唆されました。臨床家にとっては、ワクチン接種済み患者におけるCOVD-19診断で、事前確率を見積もるための参考になるかもしれません。 時間経過とともにワクチンの効果が低下する可能性があるという結果は公衆衛生上重要な情報です。一方で、「では、どうすべきか?」はまだわかっていません。ワクチン接種の間隔が長い(例えば3か月)場合、免疫力はより強固になるのか? 3回目の接種が必要か?などさらなる研究が必要です。時間依存性共変量に対処する方法として、他には周辺構造モデルやG切であるという意見もありますが、高度な知識を要するため使用の際は統計の専門家に相談することをおすすめします。Social nt-estimationという方法があり、より適Relevance)ical poiTechn★臨床的意義★社会的意義ONLINE2022年2月号1か月以内デルタ株93% (85-97)非デルタ株97% (95-99)Table1.未接種と2回接種を比較した場合のワクチンの効果2か月以内3か月以内88% (81-92)78% (70-83)91% (87-94)88% (81-92)4か月以内5か月以内60% (48-69)53% (39-65)80% (69-87)67% (45-80)年齢、性別、人種、民族、PCR陽性のSARS-CoV-2感染歴、医療利用歴、BMI、急性心筋梗塞、などを調整したCox回帰モデルにより算出された推定値および95%信頼区間Ⓒ 2021-2022 iHope International All Rights Reserved.

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